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*我儘*
永遠に続く絆ってあるのかな。
もしもそれがあったなら、今のあたしはそれを掴んで離さない。誰とでも、何があっても。

あなたにさよならを言ってから十年が経って、あたしは変わったしあなたもきっと変わっただろう。
日に焼けた素肌をくっつけて甘えていたあの頃のあたしには何も無かった。
若かったから、何も無くても許された。
今は、何かを背負っていないと人間失格と後ろ指を指される歳になり、それでも何も財産を持たないあたしは、あの頃より随分脆く臆病になった。

あなたには子どもがいるけれど、あたしにはそれも無い。
あの時あなたがあたしの傍を離れて、連れ子がいる彼女の手を取ったのは、それだけあたしが重荷だったんだろうな。
だけどあたしは謝らない。
あの頃のあたしは精一杯生きてた。自分を生かす為に全てを注いだ。あなたに尽くす余裕なんて無かった。
思いやりなんて欠片も無くて、きっとひどい女の子だったけど、あたしは今も昔も自分が一番大切だから。
あたしはあなたより自分が大切だった。

謝らない代わりに、あなたを責めたりはしない。
あたしたちの部屋に彼女を連れ込んでいた事も、喧嘩別れに持ち込もうとした事も。
あたしはあなたのしたひどい事を全て許すから、あなたももうあたしの事は忘れて欲しい。
どんなに現実がつらくても、一度捨てた愛にすがりつけると思わないで。
今のあたしを昔のあたしと思わないで。

あなたとの絆はとっくに切れてしまって、あたしたちはもう二度と交わる事の無い平行線の人生を行く。
甘えた事は言わないで。楽しかった事も、酷い思いをした事も、思い出は思い出のままにしよう。

今更あなたに会ったって、あたしに出来る事は何も無いから。腕を差し延べる事も出来ない。
あなたが疲れても、安らぎの場所にはなれない。
あなたを嫌いになったわけじゃなくて、憎んでいるわけでもなくて、ただ、あの頃はそれなりに愛してた。

あの頃の全てをガラスで固めて眺める事が、今のあたしが出来る全て。
ガラスで固められた風景のスライドを愛する事しか出来ない。
だからもう会えないよ。会わないよ。
さよならを言ったその時に、あたしとあなたの絆は切れた。夢から醒めたように、そこで全てが終わった。

愛していたよ、あの頃のあたしたちを。
世界が手のひらの中にあった頃のあたしたちを。

電話をくれてありがとう。さようなら。
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[2010/05/11 19:51] | 小説―light | コメント(0) |
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*My Blue Heaven*


私の記憶の中から、思い出せる限りの事を『小説・文学』カテゴリに。   私の現在を、『ブログ』カテゴリに。

プロフィール

遊

Author:遊
Name:百瀬 遊(Yu Momose)
Birthday:01/28
Blood type: B
Sex:F

●がタイトルにつく場合ブログ、
*がタイトルにつく場合が小説です。

◆初期小説は、書き下ろしのノンフィクションを載せています。
※カテゴリ別に読んで頂ければ、多少なりわかりやすく表示されると思います。
※表記の多い、自傷、ドラッグ、売春はすでに卒業しています。
ドラッグと売春は犯罪ですので、(今更ですが)やっちゃダメな事です。
自傷は犯罪じゃないみたいですが、周りの人が痛いのであまりお勧めできません。
◆09年8月以降、フィクションを増やしていく予定です。
ノンフィクションの場合は題名に表記します。

※著作権・肖像権の侵害、あるいは転載などは禁止とさせていただきますので、よろしくお願いします。

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