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*Mobscene 7*
*Mobscene 6*の続き
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『いい?ちゃんとやってよ。確実に、頭を狙うの。』
松岡は生唾を飲み込んで、汗で湿った手で銃の安全装置を解除した。
サイレンサーは付いていないので、上手い事電車が通過する時に銃を撃たなければならない。
硝煙のついたコートの換えは駅前のロッカーに入っている。鍵はポケットに、ポケットに…。

昨夜涼子から電話が掛かって来た時、強かな酔いもすっかり醒めた。
『ばれたわ』
涼子は開口一番にそう言って、溜息を吐いた。
『あいつ通帳と銃の入っていた引き出しに細工をしていたの』

子供の様な手段だったのに、まんまと引っ掛かったわ。単に、鍵口に薄くベビーパウダーをはたいてあっただけ。気付かなかったあたしが間抜けなのよ。
でもあいつが気付く少し前に運よくそれに先に気付いた。
『それで今は逃げ出して来て、埼玉のホテルにいるの。あいつからは何度も電話が掛かってきて、面倒だから着信拒否にした』
通帳も持って出て、あたしが全額引き落とした。どうせ汚い金だよ。あいつだって警察と馴れ合う事はしないでしょう。

松岡は高架下の柱の裏に身を潜めて、大西が風俗店の集金に現れるのを待っていた。至近距離から狙わなければ、弾は当たらないだろう。
黒のジャガーが薄暗い路地から姿を表した。運転席から長髪の男が先に出て、後部ドアを開ける。
今だ。松岡は震える手に拳銃を握り締めて、ゆっくりと車に向かって歩いて行った。


蘭はその頃、丁度夜の九時を回った頃だったが―――三上の部屋で立ち尽くしていた。
衣装ケースの一番奥に、ハンドタオルに包まれていた物を見つけてしまった蘭は、それを使ってしまったのだ。
その粗塩のような結晶を、風邪薬の空き瓶に入れて底をライターで炙り、立ち上がった白い煙を肺に吸い込んだ。
軽いめまいの後に、世界は物凄いスピードで流れ始めた。
蘭はその世界の中で、一筋の美しい滝を見出した。水道の錆びた蛇口からとろとろと流れ落ちる、普段なら気にも留めない水道水の流れは、まるで密林の中で虹を纏った小さな滝のようだった。

いつまでもその滝に見惹れている自分に気づき、改めて部屋を見渡せば、そこは楽園だった。デッキにCDを差し込み、疲れ果てて膝が抜けるまで彼女は踊り狂う。服を脱ぎ捨て、小さな滝の下に携帯電話を置く。全て水で洗い流して浄化するのだ。
そうだ、髪の毛を切ろう。全部全部切ってしまって、龍司との関係も切ってしまって、ゼロに還ろう。蘭は錆びた鋏を引き出しから取り出して、背中まで伸ばした髪をざくざくと切り始めた。
最早彼女に理性は無く、今まで見て見ぬふりをしてきた様々な事が、まるでパンドラの箱を開けたように飛び出し押し寄せる。我慢してきた事。耐えてきた事。笑って流してきた事。
みんなみんな、消えてしまえ。あたしもこのまま滅茶苦茶に壊れてしまおう。
蘭は再び白い結晶を炙って吸い、敷きっぱなしの蒲団に頭から飛び込んだ。此処は太平洋のど真ん中。

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彼女の形の良い小さな頭は破裂寸前で、支離滅裂な事を呟きながら、ときどき意味も無くケラケラと笑う。
彼氏は拳銃を握りしめながら、額に伝う汗を瞬きで跳ね飛ばして、黒いジャガーへ向かって駆けて行く。
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[2010/02/14 00:06] | *Mobscene*(※休載中) | コメント(0) |
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*My Blue Heaven*


私の記憶の中から、思い出せる限りの事を『小説・文学』カテゴリに。   私の現在を、『ブログ』カテゴリに。

プロフィール

遊

Author:遊
Name:百瀬 遊(Yu Momose)
Birthday:01/28
Blood type: B
Sex:F

●がタイトルにつく場合ブログ、
*がタイトルにつく場合が小説です。

◆初期小説は、書き下ろしのノンフィクションを載せています。
※カテゴリ別に読んで頂ければ、多少なりわかりやすく表示されると思います。
※表記の多い、自傷、ドラッグ、売春はすでに卒業しています。
ドラッグと売春は犯罪ですので、(今更ですが)やっちゃダメな事です。
自傷は犯罪じゃないみたいですが、周りの人が痛いのであまりお勧めできません。
◆09年8月以降、フィクションを増やしていく予定です。
ノンフィクションの場合は題名に表記します。

※著作権・肖像権の侵害、あるいは転載などは禁止とさせていただきますので、よろしくお願いします。

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