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◆生きているうちは◆
昨夜降り積もった雪が溶けて、冷たい雫が屋根の上や梢伝いに落ちてくる。
雪国生まれのあたしにとって雪景色など見慣れた風景で、けれど東京の雪化粧は何だか儚くて、足元の灰色に汚れた霙を踏みながら、ほんの少しだけ寂しいと想う。
骨の髄まで染み込むような寒さを感じるのは久方振りで、長野では冬のこんな寒さは日常茶飯事だったなぁと思いながら、改めて東京の暖かさに気付く。
生きているうちは、そんな些細な事でも大切に抱えて歩みたい。

花瓶に活けた花も、日を追うごとに減って行く。
この一ヶ月は短いようでとても長かった。突然暖かくなって梅が咲いたり、かと言えば雪が降り積もって椿の首を落としたり、天気は不安定だったけれど、あたしの心は不思議なほどに静謐さを保っていた。
凪いだ気持ちが自分の中に在る事に気付いた時に戸惑った。
それまでのあたしの心は竜巻に翻弄されるように滅茶苦茶な嵐の中、といった心持でいたからだ。
今は、何が起こっても、たぶん大丈夫。
そう思える自分が今ここに居る事が、自分が存在する事が素直に嬉しいと思える。
それは、周りの誰もがあたしを大切にしてきてくれた事に、今更ながら気づいたからだろう。

あたしを慰める冷たい眼差しも、あたしの髪を撫でる大きな手も、必要と云えば必要だけれど、別に無くても構わない。
凍えるような寒さも春の日差しの暖かさも、必要と云えば必要だけれど、別に無くても構わない。
書く事のネタは尽きなくて、あたしの頭の中は常に言葉で溢れているけれど、それを形にせずに忘れ去ってしまっても構わない。
それこそが、生きている証だから。とめどなく溢れる感情や言葉や、その他の色々なものを組み立てては壊し、生み出しては殺し、思いついては忘れて生きて行く。
心は、今も凪いでいる。

あたしは変われない、と呪文のようにずっと唱え続けてきた。
今、あたしに起こっている変化は、きっとあたし自身が望んだもの。
夜空からひらひらと舞い降りてきた無垢な白雪が、朝陽に溶けて下水道に流れて行くように、そしてそれがやがて大河となってゆるやかに海に流れ出るように。
あたしは変わって行く。
そして、海からまた空へと昇り、雲の中で結晶になる。
生きているうちは、きっとそんな繰り返しなのだろう。
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[2010/02/02 21:23] | 随筆―smoking room | コメント(0) |
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*My Blue Heaven*


私の記憶の中から、思い出せる限りの事を『小説・文学』カテゴリに。   私の現在を、『ブログ』カテゴリに。

プロフィール

遊

Author:遊
Name:百瀬 遊(Yu Momose)
Birthday:01/28
Blood type: B
Sex:F

●がタイトルにつく場合ブログ、
*がタイトルにつく場合が小説です。

◆初期小説は、書き下ろしのノンフィクションを載せています。
※カテゴリ別に読んで頂ければ、多少なりわかりやすく表示されると思います。
※表記の多い、自傷、ドラッグ、売春はすでに卒業しています。
ドラッグと売春は犯罪ですので、(今更ですが)やっちゃダメな事です。
自傷は犯罪じゃないみたいですが、周りの人が痛いのであまりお勧めできません。
◆09年8月以降、フィクションを増やしていく予定です。
ノンフィクションの場合は題名に表記します。

※著作権・肖像権の侵害、あるいは転載などは禁止とさせていただきますので、よろしくお願いします。

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