FC2ブログ
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[--/--/-- --:--] | スポンサー広告 |
*無我*
RING
 あたしの中に生きる細胞のひとつひとつが、わたしの死を叫ぶ。
 これ以上、クスリを摂取したら、心臓麻痺で死んでしまうよ。
 もしも戻れたとしても、頭の中は確実に壊れて行くよ。
 あたしはその声を無視して、パイプにハシシを詰め、ライターでゆっくりと炙って煙を吸う。
 何処まで飛んで行けるのかしら。
 何処まで逃げて行けるのかしら。

 わたしは誰?誰でも無い。
 わたしは何?何でも無い。

 数人で集まって輪になって、パイプの回し飲みをする。
 みんな同じ問いを抱えながら、他にどうしようもなくてクスリに溺れる。
 クスリに溺れて、セックスに溺れて、せめて泥水の中で蠢いている生活から、かりそめでも快楽の局地を味わいたいと願うのに、頭の隅はなぜか冴えていて、その部分だけそうしても快楽ではごまかせない。

 傷つける事は容易くて、壊す事だって簡単だ。
 もしも何かの代償を求められたとしても、逃げ続ければいいだけの話だ。
 何もかもがひどく単純な仕組みに思えてくる。
 何もかもが簡単に済ませられる事に思えてくる。
 だけど、頭の隅の冴えた部分だけがかすかに警鐘を鳴らし続ける。

 この中の誰がどうなろうと、あたしには関係ない。
 逆に、この後あたしがどうなろうと皆には関係ない。
 あたしはカビ臭いカーペットに胎児のように横たわって、背中でゆっくりと呼吸をしているだけ。
 自分の中の世界に入って、静かな夢を見ていたいだけ。

 誰か助けて。

 隣の部屋ではさかりのついた人たちが大声を張り上げる。
 バスルームからはさっきからずっと、シャワーの流れ続ける音が聞こえる。

 楽しい?
 あたしは全然楽しくない。
 楽しくないよ。

 そう頭の中で叫んでいるのは、あたし自身じゃない。
 死にたくないと足掻く細胞たちと、頭の一部分が鳴らす警鐘だ。
 あたしはこのまま死んだっていいよ。
 どうしてそれに抗おうとするの。
 あたしは、もう何もかもどうでもいいのに。 
スポンサーサイト
[2009/09/17 23:48] | 小説―midium | コメント(0) |
<<*FLY ME TO THE MOON 5* | ホーム | *風祭*>>
コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

*My Blue Heaven*


私の記憶の中から、思い出せる限りの事を『小説・文学』カテゴリに。   私の現在を、『ブログ』カテゴリに。

プロフィール

遊

Author:遊
Name:百瀬 遊(Yu Momose)
Birthday:01/28
Blood type: B
Sex:F

●がタイトルにつく場合ブログ、
*がタイトルにつく場合が小説です。

◆初期小説は、書き下ろしのノンフィクションを載せています。
※カテゴリ別に読んで頂ければ、多少なりわかりやすく表示されると思います。
※表記の多い、自傷、ドラッグ、売春はすでに卒業しています。
ドラッグと売春は犯罪ですので、(今更ですが)やっちゃダメな事です。
自傷は犯罪じゃないみたいですが、周りの人が痛いのであまりお勧めできません。
◆09年8月以降、フィクションを増やしていく予定です。
ノンフィクションの場合は題名に表記します。

※著作権・肖像権の侵害、あるいは転載などは禁止とさせていただきますので、よろしくお願いします。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。