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●今週も休載です●
百瀬です。…スミマセン、今回も日曜連載(Mobscene)を休載とさせていただきます。
実家に帰って、色々考える所もあり、筆が進まなかったと素直に認めます^^;
悪しからず、ご了承くださいませ。。。

さて。私事になりますが、常日頃から『エンバーマー(遺体衛生保全士)』の資格が欲しいと思っています。
周囲に云うと『はぁ???何でそんな気持ち悪い事したがるのか意味不明』と返されるし(笑)、母親には『そんな仕事を選ぶなんてもっての外』と露骨に反対されていますが、齢30になり、ようやく決心がつきました。
今年いっぱいは甲状腺の様子を見ながら、ある程度医学を独学し、専門学校に通うために必要な資金を貯めて、来年から2年間フューネラルカレッジに通います。
…2年でキッチリ資格取って卒業できればいいなぁ…。。。←エンバーミングの習得は非常に難しいらしい。

と、云う事で、今週より私は「浪人生」でございます(笑)。
目標として、今年中には神奈川に引っ越して(学校が平塚なので)、来年入学、という感じですね。
所で、「高校卒業証明書」ってどうやって用意するんでしょう??
卒業証書のコピーとかでいいのかな(苦笑)?ユウの通っていた高校は、合併によってなくなってしまったのです。
でもまぁ、何とかなるでしょう^^;
頑張って働いて、何とか一年で学費貯めます。
花屋だけでは賄えないので、夜間にレジ打ちのバイトでもしようかなぁと思っています。
もしくは、「売るための、金もうけのための小説」を書こうと思っています。

そのくらい、本気なんですよ。頑張ります★
…周囲の半数は反対派なんですけどね(苦笑)。でも、私が考え抜いて決めた事だから。

百瀬 遊
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[2010/02/28 02:54] | ブログ | コメント(2) |
*時には紡ぐ手を止めて。(non fiction)*
母が老後の楽しみとして買った紡ぎ車は今日も回り続ける。
母は通信販売で買った羊毛に縒りをかけながら、紡ぎ車のペダルを踏み続ける。
「こうしていれば、少しは気分も紛れるものよ。この紡ぎ車が来るまでは、家に居るのがつらくてつらくて仕方が無かったのだけれど、こうして毛糸を紡いでいれば少しは楽になれるから」

家がつらくて仕方が無い、というのは全て、彼女の娘・私の妹に原因がある。
数年前まで名古屋に住んでいた妹は、浪費と人格の悪さであっという間に独り暮らしの生活を破綻させた。
今は長野の母の家に居座って、一番大きな部屋をせしめて家賃も払わず、ゴミ溜めになった部屋で煙草を吹かしてパソコンに向かっているか、親の財布から抜いた金でパチンコを打っているかのどちらかだ。
恋人はいるようだが、どの男とも長続きしたためしはない。それは当たり前だ。彼女と云ったら丸で、生ごみの詰まった袋にメッキをかけているようなものだから。
本性がばれればすぐ捨てられる。それは当たり前な事なのに、彼女にとってそれは当たり前の事ではない。自分を見限った男の全てが悪い、坊主憎けりゃ袈裟まで憎し、といった具合に荒れ放題に荒れ、自分の問題なのに家族に八つ当たりし、金を無理やり毟り取ってはパチンコ台の餌にする。

「もうね、生活も限界なのよ。私もミノリ(姉)ももう追いつめられて…休日になるとあの子から逃げるように観光に出て、外食ばっかりしているから」
そう呟きながら、母は所々細かったり太かったりする毛糸の山を造って行く。
「私はね…愛してもいない人と結婚して娘を三人産んで、それでも娘たちには最大限の愛情を注いできた。そのつもり。それがどうして、こんな事になっちゃったのかしらね」
…外で車の音が聞こえると、あの子が帰ってきたんじゃないかしらって心臓がばくばくと鳴るの。あら、いけない。心が動揺すると、糸を縒る事が出来なくなってしまう。
そう云って母は、目頭に溜まった涙を押さえた。あたしは新築の家に取り付けられた薪ストーブの炎を見つめながら、黙ってそれを聞いていた。
「ミノリの障害者年金も積み立てていたものも全部あの子に持って行かれた。家庭裁判所から通達も来ているし、家に居れば借金の督促電話が何度もかかってくる。もうこれ以上は出せないから、持っている財産全てをこの小さな家に変えてしまったの。もう一銭も持って行かれないように…」

「だから云ってるじゃない。法的に縁を切って追い出せって。もう一年以上も、あたしはお母さんにそう云ってきたはずだよ。それなのに…」
「だって、どんな娘だって自分の娘よ。捨てる事なんて出来るわけ無いじゃない。それに…」
…それにあの子だって、いつかはユウのように立ち直ってくれるかもしれないし…
「そんなの淡い幻想だよ。あたしだって自分の力だけで立ち直れたんじゃない。周りに『育て直し』をしてくれるような人に恵まれた、ただのラッキーな人間ってだけだよ。残念だけど、あの子が自分の性格や性質を変える日なんて、此処にいさせて甘えさせている限り死ぬまで来ないよ」
あたしは嘗て、もう他界した父親に受けた仕打ちのトラウマからひどい精神状態に陥り、一時期は廃人のようになっていた。
けれど、周囲の支えと自分の負けん気で踏みとどまって、此処まで戻って来られたのだ。

妹に関しては言わずもがな、ゴミに埋もれても平気で新しい服をカードで買って即日ゴミにしてしまうような性格。
六十を過ぎた母親が介護ヘルパーをして、人々のシモの世話をして稼いだ金を平気で毟り取って行くような性格。
たまに来るメールは、さもさも自分が苦しんでいて、本当は自分が正しく真人間なのに周囲が悪いだの、起きた事に対する言い訳などが原稿用紙にして十枚くらいの長文で送られてくる。
自分を正当化するための手段に、あたしを使おうとしているのだ。自分の送ったメールの内容を、何時も何でも『お姉ちゃん、難しい事わかんな~い』とはぐらかすあたしに信じ込ませようと必死なのだ。
彼女にとっては自分が正義。だから、小言を云ってくる親など邪魔なだけで、金さえ引き出せて寝る場所を与えてくれるなら何処にだって寄生する人間。
小賢しいようだけれど、頭は悪い。あたしにそんな嘘八百のメールを送ってきて、それを見抜く目が無いとでもおもっているのだろうか。
上から金粉を塗りたくっても所詮中は生ごみの詰まった袋、臭いを嗅げばすぐわかる。

「いつか、お母さんが居なくなる時に…一番酷い目に遭うのはミノリ姉ちゃんだよ。障害者年金あてにされて、とっかえひっかえロクデナシの男連れ込んで、せっかく建てたこの家を荒らされて、最終的には施設に入れられるだろうね…そこはわかってるよね」
「……わかってる。だから、あんたたち夫婦はミノリの後見人に、あの子には私が死んだら即刻家を出て貰うように、遺言状もきちんと用意したわ」
紡ぎ車はからからと音を立てながら回り続ける。
あたしは薪ストーブの炎が揺らめく様に見入りながら、考える。口には出さないけれど。
―――そりゃ、死んだ後の事をそうやって丸投げにするのは楽だよね。だけど、お母さんは死んでもう楽になれるんだから後の事は任せたなんて我儘にもほどがあるよ…

「今追い出さなかったら、お母さんは一生こうしてあの子に怯え続けなきゃならないんだよ。追い出す、っていう云い方が悪いのなら、自活してもらう、といい換えてもいい。とにかくこの家にこれ以上居させちゃだめだよ」
「そうね。私もそう思うわ。だけど、自分の子どもを捨てる事なんてとても出来ない…」
毛糸の玉がまたひとつ、卓上に積み上がる。

「お母さん、その毛糸、編む予定が無いならあたしに頂戴。ざっくり編んでベストにするから」
あたしがそう云うと、母はしわとシミが目立つようになった手で紡ぎ車に糸をかけながら、全部あげるから持っていっていいわよ、と云う。
表で車の音がする。母親の表情が強張るのがわかる。
「……ああ、お隣の車だったわ…」
安堵の色を浮かべた母は、また紡ぎ車のペダルを踏み始める。今度の羊毛は藤色だ。

ねぇお母さん、糸を紡ぐのを止めてよ。ちゃんと現実を見て頂戴。
そうやって自分の趣味に没頭する事で心の均衡を保とうとするのは良い事かもしれない。けれど、現実問題は何も解決しないんだよ。
積み上がった不揃いな毛糸玉など何にもならないのに、編もうと云う気も起こしていないくせに、こうやっていたずらに積み上げるだけ積み上げて、紡いで、紡いで、紡いで…それがいったい、何になるの?

「いいよ。お母さんがそこまで摩耗していてもあの子を見捨てられないなら、あの子にウチに来てもらう。東京で生活してもらう。それ以外に、お母さんとミノリ姉ちゃんが救われる道なんてないでしょ?」
「それは駄目よ!ユウには一番苦労をさせてきたと思っているのに、これ以上無理強いなんて出来るはず無いじゃない。気持ちだけで充分、ありがとうね」

でもねお母さん、それじゃ何にも解決しないんだよ。
時には幾ら過酷でも、現実と向き合って賽を振らなきゃならない事がある。
そんな現実を遮断するように、母は一心不乱に紡ぎ車を回し続ける。丸で、止めてしまったらこの世の終わりが訪れる、と云わんばかりに。
[2010/02/25 00:35] | 小説―midium | コメント(0) |
●来週は休載●
来週、実家にちょっとだけ帰省する事になりました。
何が楽しくて大寒波の長野に帰らなきゃならないんだか…^^;
でも母親に顔を見せる事も親孝行の一つ。雪かきも親孝行の一つ(?)。

そんなわけで、今週末から来週初めにかけて実家に帰るため、『Mobscene』は一回休載しますね。
物語が佳境に差し掛かってきた所で大変申し訳ないのですが、皆様どうそ思し召せ。

よろしくお願いします。ついでにちょっと頭冷やしてきます(私事)。
何時も読んで下さって有難う。読者様には感謝感謝です。

百瀬 遊
[2010/02/16 01:46] | ブログ | コメント(0) |
*ミステリィ*
最近、私の部屋に小さな女の子がやってくる。
小さな女の子と云っても、小学六年生で思春期に入るか入らない位の年頃の女の子だ。
名前は、アキコという。

仕事が休みの日、公園で一人ジャグリングをしていたら、それを珍しがって寄ってきた子どもたちのうちの一人だ。
休日には相変わらずジャグリングをしているが、アキコは私が仕事の日でも、上がりの時間をメールで確認し、私が帰宅すると同時に私の部屋のチャイムを鳴らす。
こちらは休む暇もない。
まぁ、独り暮らしも同然だから気にしないけれど。

『ま~た煙草吸ってるんでしょ!ダメだよ!体に悪いんだからね!!』
キッチンの奥の居間からアキコが大声で私を叱る。
換気扇の下で煙草に火を点けたばかりの私は、はいはい、解っているけど止められないんですよ~と云いながら、それでもきっちり半分の所で煙草を消す。

居間に戻ると、アキコはうつ伏せの恰好で、You Tubeを観ていた。
『ま~た寝転がって。ダメだよ。此処には痩せる為に来ているんでしょ。』
私もアキコの口調を真似して云い返す。

アキコはそれほど太っているわけではないが、ほんの少しぽっちゃりとしていて、本人はそれをとても気にしている。
彼女は、芸能プロダクションのオーディションに受かったばかりで、二ヶ月後には養成所で本格的なレッスンに入るという事だ。

『どうしたらそういう体型になれるの?』
最初に会った時、彼女がそう聞いてきたので、私は
『昔、モデルをやっていたから、その習慣もあって食事には気をつけてる。後は一日一~二時間ヨガをやってるかな』
と答えた。
本当は、プラスアルファで甲状腺の病気の事もあったけれど、解りにくいと思ったので知らせないでおいた。
『じゃあ、ヨガ教えて!ユウさんのうちに通ってもいい?』
アキコがそう頼むので、私は承諾した。ただし、休みの日の場合、公園でジャグリングの練習はさせて欲しいと条件を付けた。

今日は休みだけれど、あいにく朝から雨が降っていて、アキコは朝から私の部屋に来て、だるそうに寝転がってPCで浜崎あゆみのPVを観たり携帯小説を読んだりしている。
『アキコ、生理もうすぐでしょ』
私がそう云うと、彼女は、何でわかったの、と目を見開いた。
『女の人はね、生理が近くなると体がだるくなったりやる気が起きなくなったりするからね。今のアキコがそんな感じ』

思春期の女の子に女性の事をひとつひとつ教えてあげるのは楽しい。
私がそうしてもらえなかった分、生理やブラジャーや腋毛の処理の方法なんかタブーだって家に育った分、親や姉妹に訊けない悩み事を打ち明けてくれるアキコの話に真剣に応えてあげられるのが嬉しいのだ。
自分がそうしてもらえなかった分、この子には色々教えてあげたい。

私ももし十八で子どもを産んでいたら、今頃アキコと同い年の子どもが居る事になるんだよなぁと思うと、何だか不思議な気分になる。
だって今でも私の心は幼いままで、体だけが年齢を重ねて行く。不思議だ。
十八の時に、勢いで妊娠して勢いで女の子を産んでいたら、今頃自分の子どもにそういう話をしていたかもしれないなぁと思うと、やっぱり不思議だ。謎だ。ミステリィだ。

『じゃあ、ヨガやろっかな…ホントはやりたくないけど。ごろごろしてたい』
そう呟くアキコを起こして、絨毯の上に二枚ヨガマットを敷く。
『ユウさんしっかり支えててね?時々倒れそうになっちゃうの』
『まだ体が慣れてないし、筋肉もついてないからね。大丈夫、ちゃんと支えているから』
こうして、雨の日の午後が過ぎて行く。
[2010/02/16 01:38] | 暁子と過ごす日々 | コメント(0) |
*イグアナの寓話*
シンクの前に立ち、オレンジを二つに割ると、つんとした甘い香りがキッチンに広がった。
この調理台は、背の高い私にはちょっと低すぎて、私は包丁を握る時いつも手を切らないように注意する。
耳に差し込んだイヤフォンからは少し古い洋楽が流れていて、私はメロディを口ずさみながらオレンジを切り分け、皮を剥いて行く。
足元にはイグアナが、長い爪を床に突き立てるようにしてじっと私を見ている。オレンジを食べたがっているのだ。
私は剥いたオレンジを一切れ、イグアナの口元に持って行ってやる。イグアナは真っ赤な口を開けて、一口でそれを平らげた。
抱き上げても、イグアナのざらざらとした皮膚の感触は気持ちの良いものではないし、長く硬い爪も髪に絡んでしまう。瞳には愛嬌の欠片も無い。

そんなイグアナと私がどうして同居しているかと云うと、お互いの利害の一致に過ぎない。
会話をしなくてもいい。勿論、セックスだってしなくていい。お金の貸し借りも無いし、人間と棲む煩わしさを感じずに済む。
体温も必要無い。慰めも、励ましも何も与える事は無い。こうして野菜の切れ端や果物を口に運んでやるだけ。
そして私は、八十センチもあるイグアナの悠々とした姿に見惚れる事を愉しみとしている。

夕暮れが迫り、空が橙色に染まった。
私は白いソファに座り、うなじにイグアナの冷たい皮膚の感触を覚えながら、ゆっくりとオレンジを口に運び、紅茶を啜る。
独りで過ごす時間は寂しい。けれど、家の中に動くものが何かあれば、今日も生きていけると云う気持ちになるのだ。

イグアナは、最初他の人間に飼われていた。そのイグアナがうちにやってきた時、飼い主は精神病院に入院する所だった。
大切に想っていた人を亡くしたのだ。その痛みを私は知らないけれど、亡くして一年も経つのにどうしても立ち直れずに、処方薬に溺れ、自分の生きる意思を失いかけた彼女は私にイグアナを託して、山梨県の精神病院へと旅立った。

私には、大切な人を亡くすと云う事がどれほどの事なのか見当もつかないし、酷い事を云えば、入院なんて大げさにもほどがある、と、思う。
失恋した事は山ほどあるけれど、そんなに痛みは感じなかった。
祖父、父、同級生が他界した時も、涙の一粒もこぼれなかった。
私は、このイグアナの皮膚のように冷たい人間なのかもしれない。
或いは、この私は本当は愛情深く、愛に飢えるあまり、拒食症の患者のように愛を拒むようになってしまったのかもしれない。

イグアナは爬虫類らしく、飼い主との別れに動じることも無く、餌を与えてくれる私に都合の良い時だけ寄ってくる。
イグアナがうちに来た当初、私は恋人と別れてこのマンションに引っ越してきたばかりだった。
やっぱり、利害関係は一致するものなのだ。イグアナは餌を貰えればそれでいいし、私は私に無関心な動物が部屋に居る事で安堵する。

ソファの背からするすると降りてきたイグアナが、オレンジを盛った皿に恐竜のような顔を近付ける。
舌を出したり仕舞ったりしながら、オレンジが欲しいという仕草をする。
私はオレンジをつまんでイグアナの口元へ運んでやる。
こうして、日が暮れて行く。冷たい夜がやってくる。
空になったオレンジの皿を舐めているイグアナの背中にそっと手を述べてみたけれど、ちくちくとする鬣のような鱗に阻まれただけだった。

オレンジ色の夕日が沈む。私たちは、利害の一致という理由だけで、一緒に暮らしている。
[2010/02/14 00:07] | 小説―light | コメント(0) |
*Mobscene 7*
*Mobscene 6*の続き
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『いい?ちゃんとやってよ。確実に、頭を狙うの。』
松岡は生唾を飲み込んで、汗で湿った手で銃の安全装置を解除した。
サイレンサーは付いていないので、上手い事電車が通過する時に銃を撃たなければならない。
硝煙のついたコートの換えは駅前のロッカーに入っている。鍵はポケットに、ポケットに…。

昨夜涼子から電話が掛かって来た時、強かな酔いもすっかり醒めた。
『ばれたわ』
涼子は開口一番にそう言って、溜息を吐いた。
『あいつ通帳と銃の入っていた引き出しに細工をしていたの』

子供の様な手段だったのに、まんまと引っ掛かったわ。単に、鍵口に薄くベビーパウダーをはたいてあっただけ。気付かなかったあたしが間抜けなのよ。
でもあいつが気付く少し前に運よくそれに先に気付いた。
『それで今は逃げ出して来て、埼玉のホテルにいるの。あいつからは何度も電話が掛かってきて、面倒だから着信拒否にした』
通帳も持って出て、あたしが全額引き落とした。どうせ汚い金だよ。あいつだって警察と馴れ合う事はしないでしょう。

松岡は高架下の柱の裏に身を潜めて、大西が風俗店の集金に現れるのを待っていた。至近距離から狙わなければ、弾は当たらないだろう。
黒のジャガーが薄暗い路地から姿を表した。運転席から長髪の男が先に出て、後部ドアを開ける。
今だ。松岡は震える手に拳銃を握り締めて、ゆっくりと車に向かって歩いて行った。


蘭はその頃、丁度夜の九時を回った頃だったが―――三上の部屋で立ち尽くしていた。
衣装ケースの一番奥に、ハンドタオルに包まれていた物を見つけてしまった蘭は、それを使ってしまったのだ。
その粗塩のような結晶を、風邪薬の空き瓶に入れて底をライターで炙り、立ち上がった白い煙を肺に吸い込んだ。
軽いめまいの後に、世界は物凄いスピードで流れ始めた。
蘭はその世界の中で、一筋の美しい滝を見出した。水道の錆びた蛇口からとろとろと流れ落ちる、普段なら気にも留めない水道水の流れは、まるで密林の中で虹を纏った小さな滝のようだった。

いつまでもその滝に見惹れている自分に気づき、改めて部屋を見渡せば、そこは楽園だった。デッキにCDを差し込み、疲れ果てて膝が抜けるまで彼女は踊り狂う。服を脱ぎ捨て、小さな滝の下に携帯電話を置く。全て水で洗い流して浄化するのだ。
そうだ、髪の毛を切ろう。全部全部切ってしまって、龍司との関係も切ってしまって、ゼロに還ろう。蘭は錆びた鋏を引き出しから取り出して、背中まで伸ばした髪をざくざくと切り始めた。
最早彼女に理性は無く、今まで見て見ぬふりをしてきた様々な事が、まるでパンドラの箱を開けたように飛び出し押し寄せる。我慢してきた事。耐えてきた事。笑って流してきた事。
みんなみんな、消えてしまえ。あたしもこのまま滅茶苦茶に壊れてしまおう。
蘭は再び白い結晶を炙って吸い、敷きっぱなしの蒲団に頭から飛び込んだ。此処は太平洋のど真ん中。

ぴぇr時y;dlkfj;hkm簿tjldkjfjhl;dh:f;ldgklj:d;lkfリオgj知おっほtpdfkd:4位r0-09kghldf…
:絵t:ぽj背9位34位d;hldl;kgh所;fgk;ぽrちhy;ぽtlhk:flghk;fglhk;fg…



彼女の形の良い小さな頭は破裂寸前で、支離滅裂な事を呟きながら、ときどき意味も無くケラケラと笑う。
彼氏は拳銃を握りしめながら、額に伝う汗を瞬きで跳ね飛ばして、黒いジャガーへ向かって駆けて行く。
[2010/02/14 00:06] | *Mobscene*(※休載中) | コメント(0) |
*雪の足音*
冷たい風が強く吹いていた。
空は鈍色をして低く、今にも雪が降り出しそうな気配がした。
私は電車の窓の外を流れて行く、梢の枯れた寒々しい気を見送って、また視線を自分の膝へと戻した。

雪の足音が聞こえ始めるのは夜半過ぎだと、今朝の天気予報は告げていた。
長野で育った私にとって、雪は然程珍しいものではない。
けれど、東京に出てきてからは、ごく稀に雪が降ると郷愁に似た感情に包まれる。
もう実家が恋しい年齢ではないのに、なぜか胸の奥を擽られるような、懐かしい気持ちにさせられるのだ。

新宿は相変わらず、地上は人で賑わっていて、どんよりと重く圧し掛かる空さえ、速足で歩く人々には見えていないようだ。
『待った?』
約束の時間から十分遅れて、マユミが待ち合わせの場所に到着した。歌舞伎町の入り口近くに在る小さなビアバーで、私たちはこうして時々、他愛もないお喋りをする。
マユミはハイネケン、私はギネスを片手に、煙草を吹かしながら。

恋の話しや最近の出来事などを語り合っているうちに、外がだんだん暗くなっていく。
私は今、お酒を飲んでいて、少し気が大きくなっているのが自分でもわかる。偉そうな事をぶち上げているのが自分でもよくわかる。それでも、唇は止まらない。
楽しいってこういう事なんだ、と久々に思う。
仕事に追われる毎日は、大学を卒業してからずっと続いていて、仕事と云う厄介な束縛があるせいで嘗ての友人たちとも疎遠になりがちだ。

『そういえば、高岡君、結婚したんだって。』
マユミがメンソールの煙草に火を点けながら云う。
高岡君は高校のクラスでも目立たない存在で、在る意味空気の読めない、どこかずれた男の子だった。
『高岡君と結婚するなんて度胸あるよねぇ。奇特なお嫁さんだね。』
私は笑いながら、ギネスのグラスに手をのばす。グラス三分の一のビールを一気に喉に流し込み、お代りを買いにレジカウンターへと向かう。
『ギネスをワンパイント下さい。』
店員は、お金を受け取った後、お席までお持ちします、とにこやかに云ってくれた。

私は席に戻って、さっきの話の続きを聞く。
『この間の同窓会、ユウは出席しなかったでしょ?高岡君、相変わらずずれてたよ。二次会のカラオケでは超真面目に寅さんの歌なんて歌ってたし。』
マユミはそう云って笑った。長い髪が頬にかかり、彼女はそれをそっと耳に掛けた。
『いいんじゃない、本人が幸せならそれで。』
そう、どうか仲の良かった人々の皆が今、幸せでありますように。私はそっと心の奥で願う。
新しいビールが運ばれてきて、私とマユミはグラスを合わせる。
楽しい事、幸せな事。マユミの話にはちょっとした愚痴も入っていたけれど、笑い飛ばせる程度のもの。
こうして生きているうちは出来るだけ楽しみたい。
私は物質的なものよりも、精神的なもので満足を得るタイプなのだ。

強かに酔って外に出た。
『あ。雪。』
粉雪が、真っ暗な空からひらひらと降りてきた。
相変わらず騒音のうるさい新宿の繁華街で、私たちは静かに降り積もる雪をしばらく眺めていた。
こんなに騒々しくては、雪の足音など聞こえない。
長野に降り積もる雪は、牡丹雪の時にかすかであえかな音を立てながら、静かに降り積もって行った。
『積もるかなぁ。明日、出勤の時電車が遅れたら厭だな。』
『大丈夫、明け方には止むって言っていたから。』
一方で雪の訪れにはしゃぎ、一方で、明日の事を考えると少しだけ憂鬱になる。それが、東京の雪だ。

私たちは駅に着くまで、傘をささずに細かい粉雪を浴びて行った。
少しだけ童心に帰り、降り注ぐ雪にかすかな幸せを願いながら。
[2010/02/13 04:14] | 小説―light | コメント(0) |
●ちゃんと生きます(笑)●
百瀬です。

昨日の記事を読んで、びっくりしちゃった人が多いみたいだったから、言い訳します(笑)。
あたしは生きる事に前向きだし、死のうだなんて思ってないからね!
あくまで、随筆の一つとして記事を挙げた次第です。

心配しちゃった人達、申し訳ありませんでした^^;
今日も私は元気です♪
[2010/02/12 16:13] | ブログ | コメント(0) |
◆私は、死にたい◆
教室の片隅で頬杖をついて、窓から見える校庭を見ていた。
西日が薄く教室を照らして、舞い上がった埃がきらきらと反射して見えた。
もうとっくに授業は終わり、人も捌けた教室の中で、私は独り静かに手首を切っていた。
こうすると、心の中が落ち着いて、溜まった澱が流されて行く。
異常な行為であると、周囲からは位置づけられた自傷行為は、私にとってごく当たり前の、自然な事で、それに伴う痛みや残る傷跡など何とも思わなかったし気にもしなかった。

それでも周囲は私を頭のおかしな子だと思っている。
私は、自分で自分を傷つける事に何の疑問も持たなかった。
何かのせいにしたり、何か理由を付けてしまえば、自分が頭のおかしな子だと自分で認めてしまう事になる。
理由は、何も無い。厭な事があったり、不安を感じた時に、切れば落ち着く。煙草の火を押し当てれば楽になれる。
例えば、ごく単純な理由を挙げれば、好きな人からのメールがなかなか帰って来ない時。
漠然とした不安でも、私の中で自分を傷つけたいと云う衝動が起こり、抑えきれなくなる。

それは、現在でもそうだ。
十代の頃に感じていた不安やプレッシャー等とは比べ物にならない位、大きな塊に押し潰されそうになり、呼吸をするのも苦しくなって、私は時々ほんの少しだけナイフで皮膚を裂く。
そんな自分を、狂っているとは思わない。
ただ、「何かをしたい」と思って生きてきた長い時間が、年齢を重ねた私を苦しめる。
今更、変わる事なんて出来ない。だけど変わらなければ、この先、人の中で生きて行くことが難しい。
変化する事を恐れはしないけれど、人との関わりに通じるように変化する、その手段が私には解らない。
こんな年齢になってまで、いつまで中学生気分なのだろう。

別に、このまま十代の気持ちで生きて行っても支障は無いように思える。
楽しい事を、自分が選んだ人と好きなように、良い意味で自分本位に生きて行くのが最善とも云える。
何故なら、それが自分の歩んできた道を無理に捻じ曲げる事無く済む、唯一の手段だからだ。
ただ、流されて生きて行くだけ。それでも私は生きていける。寧ろ、その方がずっとずっと楽だ。
けれど周囲がそれを赦さなくなってきた。年齢相応に、社会に適応する事を強いるようになってきた。
私の居場所はだんだん狭くなって行って、このままでは窒息してしまう。
私は、自分を変えなければならない。厭々ながら、そして砂を噛む思いで。

いっそ、死を選びたい。
クライシスコールでも脅しでもなく、私は死にたい。
だけどそれさえ、社会は許してくれない。
私が死んだら悲しむ人が少しくらいは居るだろうし、死体を片づけるのも大変だろう。
今はただ、生きている事が面倒臭い。

教室の片隅で、校庭を眺めていた頃の自分は、社会に甘やかされた存在だった。
だから、死にたいだなんて気持ちは起こらなかった。
今、薄暗い部屋で独りこうして気持ちを吐露している私は、はっきり言ってもう疲れた。人生を止めたい。
そうして私はまた自分を切る。死ぬ事を赦されない自分は、袋小路で立ち往生しながら、凍死するのを待っている。

[2010/02/12 01:24] | 随筆―smoking room | コメント(0) |
◆明証的懐疑主義◆
―――詰まらない事で悩んでないで。
―――そもそもこの世の全てを還元して行けば、『意識』が境界線のどちらに在るかの問題。
――――――眞實は無、何も下らない事で泣く必要は無いのさ。

そう云った君はその一時間後には私の中に入って居たけれど、この行為には果たして『意識』なんて云う付属品が在るんだろうか。
快楽に意識の境界線なんて在り得ないよ。
眞實が無なら、有を生もうとせんが為の行為なんて必要無いでしょう。
愛情の無い交ひなんて因数分解も出来やしない。

何が残るの。答なら『記憶』しか残らない。
紅く爛れた火傷みたいに、何時までもじくじくと疼く様な痛みを伴った甘い記憶だけ。
それに追随する意識は只の邪魔者で、美しいものを穢さんとする以外の何物でも無い。

それで、私が何を云いたいのかと云うと。
そう、偉そうに哲学を持ち上げてから、それを無かった事にしないで欲しいと云う事。
一瞬でもその欠片を信じたあたしを、勝手に裏切らないで欲しいって事。
禅問答のような事をしておきながら、私の安っぽいフェロモンに跪く意気地無しだと思わせないでって事。
そう、莫迦にしないでって云う事。貴方自身も私自身の事も、莫迦にしないで欲しい。
こうやって摩る事で。

どうしてこんなに文句ばかり並べるかと云うと、それは私が未だ無の境地に至って居ないから。
彼岸と此岸の違いがわかって居ないから。
貴方の事を少しでも解りたいと想うのに、貴方は云う、
―――白が黒に成ろうだなんてナンセンスだよ。
果たして其れが眞實なのか、私には解らない。
だって私は女だから、灰色の時だってあるもの。
君だって男だから、灰色の時はあるでしょう。

我想ふゆゑに我在り。
デカルトは眞實が無だなんて云ってない。こんな事ちっとも還元主義的じゃあない。
積極的懐疑。私が今抱いているものすべて。
だけど私はデカルトの思想を全面的に肯定するわけじゃあない。
だけど貴方の云っていた事はその哲学に一番近かったから、それに賛同しただけだ。
明証的な其の言葉は神と慾望の前ですぐに裏切られたけれど。
コギト・エルゴ・スム。
[2010/02/08 01:17] | 随筆―smoking room | コメント(0) |
*夢*
夢の中であたしは水晶の洞窟にいた
妖しげな虹色に光を放つ水晶の群生に囲まれて

あたしは手元の水晶を砕いて
暗闇の中で手を繋いでいた男の子にあげた

だけどそれは洞窟の出口で出てきた男の人に
全て奪い取られてしまった。
[2010/02/07 05:59] | 短詩 | コメント(0) |
*Mobscene 6*
*Mobscene 5*の続き
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
《12月10日 23:31》しばらくお店休んじゃってゴメンネ。蘭に会いに来てくれ
たみんな、心配かけちゃってごめんなさい。。。インフルエンザがなかなか治ら
なくて…。もうちょっとお休みさせてもらって、元気になったら復帰するから、
待っててね!蘭でした~(o^-^o)

『蘭はまだ治ンねェのか』
大西は不機嫌な顔で三上を怒鳴りつけた。蘭が店を休んで一週間になる。
店に足を運んでも、蘭がいない事を聞くと、そのまま帰ってしまう客も少なくない。
『…はぁ。まだショックから立ち直っていないようで』

三上は店側には蘭がインフルエンザだと言っておいたが、大西には、蘭が吐いた嘘をそのまま話していた。帰宅途中で暴行された、と。
けれど三上はその話が嘘である事を分かっていた。恐らく、松岡に痛めつけられたのだという事を。
大西もまた、それとなく事情は察していたが、松岡の事を蘭に問いただせば激昂される事はわかりきっているので、煮えきらない気持ちを抑えていた。


散らかった部屋をそのままに、蘭が消えてから一週間近く経つ。
松岡は蘭の行方がわからない事に一抹の不安を覚えながらも、蘭が失踪した事に関して罪悪感は無かった。
何故なら、蘭を絞め殺そうとした時の記憶など、アルコールのせいでほとんど残っていなかったからだ。
ただ気がかりなのは、自分は蘭のヒモ同然の暮らしをしているため、遊ぶ金が尽きたらどうする、それだけだった。

けれど、もうじき大金が手に入る。拳銃ももうこの手の内にあるのだ。
松岡の中に、蘭に対する愛情は無いと言って良かった。彼は、自分さえ愉しくやれればそれで良いと思っていたし、女など利用するだけのモノにすぎないと思っていたからだ。


蘭は殺風景な三上の部屋に寝そべって、床に直接置かれたテレビをぼんやり眺めていた。
一週間、ほとんど喉を使わなかったので、少ししわがれた、良く言えばハスキーな声なら出るようになっていた。

…だけど、こんな声を持っていたとして、それが一体何になるのだろう。
あたしは歌姫になるのが夢で、今は底辺に落ちていたって、いずれはステージに這上がりスターダムにのし上がるのが夢だったのに…。
今のあたしは底辺どころじゃない、奈落の底だ。
奈落、のほうがまだましかもしれない。奈落は舞台のすぐ下にあるもの。
ブログでは強がって、元気な振りをしているけれど、今のあたしは空っぽの心に汚泥を流し込まれた気分だ。

くだらない馬鹿騒ぎを繰り広げるテレビの電源を切ったと同時に、携帯電話の着信音が鳴った。液晶には《龍》と出ている。松岡だ。
蘭は最初、それを横目で流したけれど、いつまで経っても着信音が鳴り止まないので、仕方なく通話ボタンを押した。

『…真衣?ひどい声だな。風邪でもひいてるのか?』
思わず携帯電話を壁に叩きつけたくなる。その衝動をかろうじて抑えて、何でもない、と低く呟く。
『…何か用?』
『いやさ、お前最近ずっと帰ってねぇじゃん?店出てンの?』
『休んでる。でも店には話通してあるから』
『いつこっち帰ンのよ?』
『…さあ。』
話しているのも面倒臭くなって、蘭は一方的に電話を切った。
どうせ用件は、家賃の無心に決まってる。またかかって来るかと暫く身構えていたが、それきり携帯電話が鳴る事は無
かった。
ただただ虚しかった。どうせ自分は龍司にとってお財布でしかない事は、最初からわかっていた。でも、それでも良いと思っていた。龍司があたしを必要としてくれる、たまらなく甘い声と端正な容姿が、時たま見せる子どものような表情がたまらなく好きだった。たまらなく。
でも、今のあたしの中にはそんな感情は無くて、汚泥の詰まった心の中はひたすらに虚しくて苦しかった。
こんな時に、どう足掻いたらいいのか、蘭はその術を知らなかった。
そして、これから始まるもっと悪い事さえ、予想すら出来ずに一人部屋の中で静かに泣きながら佇んでいた。
[2010/02/07 05:54] | *Mobscene*(※休載中) | コメント(0) |
●平穏≠退屈●
平穏な日々を過ごしているうちに、ものを書くという事が困難になってきた。
なので、今日はだらだらと1月のまとめでも書いてみる事にする。

1月1日の月蝕の時に、Aさんは旦那さまとは違う男と一緒におりましたとさ。
その次の週、Aさんはまた旦那さまとは違う男と一緒におりましたとさ。
…な~んて事書くと、きよかずにまた怒られるから今のナシ。

今書ける事と云ったらそれだけしかネタが無いのですが(撃沈)。

1月28日の誕生日に、Aさんは旦那さまと渋谷~代官山~恵比寿へ行っててらてらお散歩していましたとさ。
…たったそれだけなんだけど。プレゼントは無し(苦笑)。

ああ本当に、何を書いたらいいのだろう。
不平不満の無い平穏無事な日々を送っていると、その日一日の価値も薄らいで、ただ淡々と、淡々と起きては眠るの繰り返し。

退屈。誰もが口にする『一番の敵』。
[2010/02/06 23:31] | ブログ | コメント(0) |
*月に叢雲*
したい事ばかりしている内に
行き詰まって解らない事だらけ
何時からこんな風に
雁字搦めになっちゃったんだろう

『君が去ったなら僕は死ぬ』
そう云う風に脅かさないで
私の全てを愛するだなんて何て傲慢な愛

したい事ばかりしていた癖に
猛スピードで突っ切って行くのさ
逃げ足速し脱兎の如く
其の性を哀しく思えど後の祭り

『付いちゃった癖は仕方無いさ』
そう云う風に諦めさせないで
私の渇望を潤すもの等何処にも存在しない

強かに生きて居る
そう見えるならそう見て宜し
月に叢雲花に風と
老いさえ爛熟とは物は云い様

嗚呼もうこんなにも歳月が経って
二十四時間さえ酷く短し
無駄に食い潰した数年間
無為に縛られた永い時間

『君が去ったなら僕は死ぬ』
そう云う事で私を

私をこれ以上残酷にさせないで
[2010/02/06 01:39] | 短詩 | コメント(0) |
◆生きているうちは◆
昨夜降り積もった雪が溶けて、冷たい雫が屋根の上や梢伝いに落ちてくる。
雪国生まれのあたしにとって雪景色など見慣れた風景で、けれど東京の雪化粧は何だか儚くて、足元の灰色に汚れた霙を踏みながら、ほんの少しだけ寂しいと想う。
骨の髄まで染み込むような寒さを感じるのは久方振りで、長野では冬のこんな寒さは日常茶飯事だったなぁと思いながら、改めて東京の暖かさに気付く。
生きているうちは、そんな些細な事でも大切に抱えて歩みたい。

花瓶に活けた花も、日を追うごとに減って行く。
この一ヶ月は短いようでとても長かった。突然暖かくなって梅が咲いたり、かと言えば雪が降り積もって椿の首を落としたり、天気は不安定だったけれど、あたしの心は不思議なほどに静謐さを保っていた。
凪いだ気持ちが自分の中に在る事に気付いた時に戸惑った。
それまでのあたしの心は竜巻に翻弄されるように滅茶苦茶な嵐の中、といった心持でいたからだ。
今は、何が起こっても、たぶん大丈夫。
そう思える自分が今ここに居る事が、自分が存在する事が素直に嬉しいと思える。
それは、周りの誰もがあたしを大切にしてきてくれた事に、今更ながら気づいたからだろう。

あたしを慰める冷たい眼差しも、あたしの髪を撫でる大きな手も、必要と云えば必要だけれど、別に無くても構わない。
凍えるような寒さも春の日差しの暖かさも、必要と云えば必要だけれど、別に無くても構わない。
書く事のネタは尽きなくて、あたしの頭の中は常に言葉で溢れているけれど、それを形にせずに忘れ去ってしまっても構わない。
それこそが、生きている証だから。とめどなく溢れる感情や言葉や、その他の色々なものを組み立てては壊し、生み出しては殺し、思いついては忘れて生きて行く。
心は、今も凪いでいる。

あたしは変われない、と呪文のようにずっと唱え続けてきた。
今、あたしに起こっている変化は、きっとあたし自身が望んだもの。
夜空からひらひらと舞い降りてきた無垢な白雪が、朝陽に溶けて下水道に流れて行くように、そしてそれがやがて大河となってゆるやかに海に流れ出るように。
あたしは変わって行く。
そして、海からまた空へと昇り、雲の中で結晶になる。
生きているうちは、きっとそんな繰り返しなのだろう。
[2010/02/02 21:23] | 随筆―smoking room | コメント(0) |
●ハイ、落としました(苦笑)●
皆様こんばんわ。百瀬です。

・・・連載小説、今週は落としてしまいました。。。
あいすみませぬ。
書きこみ忘れではなく、正真正銘書いてません(爆)!
ちゃんとネタはpomeraに仕込んであるのに、時間が無くて原稿を上げる事ができませんでした。

申し訳ない。。。今週分はオヤスミという事でお願いします。。。

先週は半端なく忙しくて、もう本当に休んでいる暇無し。
仕事⇒決算、自宅⇒漫画の原稿(同人ではなくプロとして)、休み⇒近所の子ども達に遊ばれる。
お風呂と御飯とトイレ以外、本当に休めない…。

『近所の子どもたちに遊ばれる』と言うのは、最近百瀬は家の前にある公園でジャグリングをしているんですが、それに子どもたちが群がって大わらわ。
中でも人気なのが「ポイ」でして、ニュージーランドのジャグリング用品なのですが…小学生を中心に、ブームの波が押し寄せようとしています(笑)。

明日も朝から仕事!
仕事終わったら夕方から公園で子どもたちとポイ!
日が暮れて解散したら机に向かって原稿用紙と奮闘!

頑張ります。
以上、言い訳でした。
[2010/02/01 00:37] | ブログ | コメント(0) |
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*My Blue Heaven*


私の記憶の中から、思い出せる限りの事を『小説・文学』カテゴリに。   私の現在を、『ブログ』カテゴリに。

プロフィール

遊

Author:遊
Name:百瀬 遊(Yu Momose)
Birthday:01/28
Blood type: B
Sex:F

●がタイトルにつく場合ブログ、
*がタイトルにつく場合が小説です。

◆初期小説は、書き下ろしのノンフィクションを載せています。
※カテゴリ別に読んで頂ければ、多少なりわかりやすく表示されると思います。
※表記の多い、自傷、ドラッグ、売春はすでに卒業しています。
ドラッグと売春は犯罪ですので、(今更ですが)やっちゃダメな事です。
自傷は犯罪じゃないみたいですが、周りの人が痛いのであまりお勧めできません。
◆09年8月以降、フィクションを増やしていく予定です。
ノンフィクションの場合は題名に表記します。

※著作権・肖像権の侵害、あるいは転載などは禁止とさせていただきますので、よろしくお願いします。

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