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◆やがて来る明日のために◆
『歯磨き粉、使いすぎじゃない?米粒くらいでいいって歯医者さんが云ってたよ』
『ふ~ん。でも癖でこのくらい出しちゃうんだよね』
『まぁ、いいけど。』

『テレビ何か面白いのやってる?』
『特に、ない。ニュースとか全部終わって深夜番組ばっか』
『最近ロクな芸人いないし、面白くないよね』
『うん。…ちゃんと髪、乾かしなよ』

『……もう寝た?』
『………寝たよ。』
『嘘だぁ。……あたし今日も眠れないかも』
『明日休みなんだし、寝坊したっていいよ』

『……眠れないってつらいんだよ』
『………』
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[2010/06/03 21:57] | 随筆―smoking room | コメント(0) |
*あたたかな手(non fiction)*
この細い指先を包み込んでくれるあたたかな手をずっと待っていた。
死んだ方がマシと思えたあの夜からずっと。

月の綺麗な夜更けに、幼い私の心と身体はぼろぼろにされた。
泣き叫んで抵抗すれば良かったのに、私は黙って貪られた。
私が騒いだら、お母さんが起きてしまう。
酔っぱらって私の上に乗るお父さんを刺し殺してしまうかもしれない。
私さえ我慢すればいつも通りの朝がやってくる。
そう思って全ての痛みに耐えた。

その頃から私は自分自身を傷つけるようになった。
それは十年以上も続いた。
腕を切った。首を切った。色んな場所を、煙草の火で焼いた。
狂わないでいるだけで精一杯で、大学だとか就職だとか、そんな事は考えられなかった。
精神的にぼろぼろになって、二十歳を過ぎた頃、私の身体は食べる物も受け付けなくなった。
朝から晩まで薬とナイフを手放せずに、憔悴しきった私はある日、自制心がきかなくなってお母さんに全てを話した。

お母さんはすぐに私を家から出して、次いで自分も姉を連れて家を出て行った。
その数年後、ひとり家に取り残されたお父さんは酒と風邪薬の過剰摂取で死んだ。

欲しかったのはあたたかな手で、私をどうにかまともな道へと導くように手を引いてくれる存在だった。
運命か偶然か、そのあたたかな手は私に差し延べられた。
私の手を握る大きな手は冷たく荒れているけれど、今までに感じたどの感覚より愛おしい。

今も私の手を引いてくれるあたたかな手を、私は一生離さない。
[2010/05/14 02:38] | 随筆―smoking room | コメント(0) |
◆友達◆
独りで何かをする事を、私は恥だとは思わない。
だけど、休日に独りで外に出かけたり、学校の中で講義を独りで受けたり学食を独りで食べていると、周りは嘲笑する。
『あの子は友達がいないんだ』って。

私は独りで過ごす時間が好きだ。周りともそれなりに上手くやっているし、自分の性格を根暗だとは思わない。
けれど、特定の相手とつるむ事が好きではない。独りで過ごす時間は自由に考え事が出来るし、時々煩わしく思える人間関係をわざわざ我慢して続ける理由なんてない。
独りで居る事は自由だと思っているし、私はそれでいいと思っている。
みんながしているように、四六時中携帯電話のメールに束縛しあって寂しさを紛らわすような、そんな関係は友情だとは思えない。
つるんでいる裏で『あの人たちは本当の友達じゃない』なんてのたまう人の気が知れない。友達というものは、ファッションアイテムではない。一人一人が個々の人間だ。

エゴと自らの見栄の為に、友達ぶって何が楽しいんだろう、と私は思う。
私は「普通の子」のカテゴリからはみ出しているのだろう。だけど周りにどう見られようと、裏で笑われようと、私には関係ない。


彼女はトイレで食事を摂る。
学食で一緒に食事をする相手がいないから、学内が空く昼の時間帯にトイレの個室にこもってひっそりと軽食を摂るのだ。
それが不衛生だとか、常識外れだとかいう概念は、エゴと見栄に覆われている。
『独りで学食に入って、独りで食事をしている寂しい人間だと思われたくない。』
こうしてトイレに閉じこもってサンドウィッチを詰め込むほうが、よほど孤独で寂しいのではないか、と私は思う。
そんな当たり前の答を無視して、彼女はトイレで食事を摂る。
自分の見栄の為だけに。
馬鹿みたいだ。否、ただの馬鹿だ。


どうして、独りでいる事を恥ずべき事だと思うのか。
どうして友達を友達と呼べないのか。例えば、『この人たちとは上辺では仲良くしているけれど、本当の友達ではない』と深刻にカウンセラーに相談する馬鹿のように。
本当の友達っていったい何?何があっても自分自身の存在を肯定し、それがたとえ上辺だけであっても親友の振りをする事?
メールのレスの早さや回数、二十四時間繋がっている安心感を与えてくれる人?
私はそれは違うと思うし、私にはそれが理解できない。
恰好や世間体を気にしてばかりいる周囲の考えている事が解らないのだ。

こんな世の中になってしまった事を、心底悲しく思う。
そして、これからもどんどんエスカレートして行きそうな、人々を蝕む心の病は次々と増えて行く。

トイレで食事を摂るあなたに訊きたい。
本当に大切なものは自尊心じゃないんですか?と。
[2010/05/05 21:21] | 随筆―smoking room | コメント(0) |
*春*
spring

花が咲く。咲いて、散って行く。
季節の移ろいは早くて、気がつけば四月も残す所あと半月だ。
今年の春は暖かかったり寒かったり、気候に振りまわされて心の余裕がほとんど持てなかった。
桜を愛でる余裕すら持てずに、ただ只管に自分の事に精一杯になっていた気がする。

何故だろう。
誰も追いかけては来ないのに、何も恐ろしい事など無いのに、不安で仕方なかった。
惰眠を貪り、夢の中で楽しく幸福な時間を過ごし、目覚めた時に谷底に突き落とされた気分になる。
現実の方が、本当は素晴らしいのだろう。人生は、美しいのであろう。
けれど私は生きる気力を失いかけていた。ものを食べる事さえ無理矢理詰め込むように、ただこの身体を生かすためだけに動いていた、そんな気がする。
現代風に云えば、鬱、とでも云うのだろうか。

最高の幕開けで今年が始まって、それから停滞しつつ今に至る。
なんて抽象的な事を書いても仕方がない。
具体的に書けば、書くのが切なくなってくるから書けない。
ただ、私と誰かの胸に仕舞っておく秘密。
嗚呼、何か良い事無いかなぁ。

せっかく鬱状態から抜け出したのだから、幸せが訪れますように。
…違う、掴み取るのだ、幸せと云うものは扉を叩いてはいこんにちわと軽々しくやってくるものではない。

掴み取ろうか、この細い非力な手で。


花は散り行くから嫌い、と私は云った。
花は枯れるから美しいんだよ、と彼は云った。
季節は移ろう。花はそこかしこに咲いては散っていく。

早く夏が来ればいい。
全てを焼き尽くすほどの灼熱の太陽に負けない花は、長く咲いてくれるから。
[2010/04/15 18:49] | 随筆―smoking room | コメント(0) |
◆光◆
a ladder

穏やかな日差しの中で、薫る風に包まれながら、あたしは天を仰ぐ。
若葉の梢が日に透けて、翡翠のように青空を彩る。
全てが、生きていると思える事。そう思える自分は数年前よりきっと幸福なのだろう。
あたしの中に刺さった棘は今もまだ、胸の奥でじくじくと痛む。
荊を踏んで歩いてきた足は、血まみれでも、まだ進む事ができる。
ただあなたに会いたいという気持ちだけが、あたしの生を繋ぎ留める。
こんなにぼろぼろになってしまっても、あなたの笑顔を見るためなら、どんな事だって出来る。
緩やかな丘に上り、眼下に広がる碧海と街並みを見渡せば、少し呼吸が楽になる。
あなたに辿り着くまで、きっとあともう少し。
振り向けば、丘の若草の上に柘榴のように点々と赤い足跡。痛む身体と裏腹に、歌い出したくなるような心。
あなたがこの世界に存在するだけで、どんなに痛めつけられてもあたしは大丈夫だ。
数年前まではこんな気持ちにはなれなかった。
痛む足を引きずり、胸から血を流し唇さえも赤く染めて、背中を鞭で打たれるように無理矢理前へと進んでいた。
全ては灰色に燻っていたし、何もかもが死んでいると思えた世界。
その世界の中で、唯一見出した光があなただった。
恋だとか愛だとか、そんな感情は既に通り越している。
あなたはただ、あたしの光なのだ。
生きている事を喜びだと感じさせてくれた、唯一の光なのだ。
[2010/04/06 05:43] | 随筆―smoking room | コメント(0) |
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*My Blue Heaven*


私の記憶の中から、思い出せる限りの事を『小説・文学』カテゴリに。   私の現在を、『ブログ』カテゴリに。

プロフィール

遊

Author:遊
Name:百瀬 遊(Yu Momose)
Birthday:01/28
Blood type: B
Sex:F

●がタイトルにつく場合ブログ、
*がタイトルにつく場合が小説です。

◆初期小説は、書き下ろしのノンフィクションを載せています。
※カテゴリ別に読んで頂ければ、多少なりわかりやすく表示されると思います。
※表記の多い、自傷、ドラッグ、売春はすでに卒業しています。
ドラッグと売春は犯罪ですので、(今更ですが)やっちゃダメな事です。
自傷は犯罪じゃないみたいですが、周りの人が痛いのであまりお勧めできません。
◆09年8月以降、フィクションを増やしていく予定です。
ノンフィクションの場合は題名に表記します。

※著作権・肖像権の侵害、あるいは転載などは禁止とさせていただきますので、よろしくお願いします。

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